北ヨーロッパに位置するスウェーデン。ストックホルムを首都にもち、人口は約1000万人で国面積は日本よりも少し大きい国です。このスウェーデン、実はキャッシュレス大国だということをご存知でしたか?
目次
スウェーデンのキャッシュレス事情
スウェーデンのキャッシュレス決済は世界でもトップクラスです。キャッシュレス決済比率は51.5%(キャッシュレスロードマップ2019 一般社団法人キャッシュレス推進協議会より)と決済の半数以上がキャッシュレスで行われています。
決済の主流となるのはクレジットカードやデビットカードです。さらにSwishと呼ばれる個人間送金サービスが2012年に登場して以降はこのサービスを利用して支払いをする人が年々増加しています。
スウェーデンの街中では現金が使えないところの方が圧倒的に多く、会計時にはカードやアプリの利用が欠かせません。近年では公衆トイレの利用料まで現金を受け付けないこともあり、キャッシュレス決済との関わりはとても深い国です。
なぜキャッシュレスが進んでいるの?
なぜキャッシュレス決済がスウェーデンでは進んでいるのでしょうか?いくつかの社会的な背景からみていきたいと思います。
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- 1990年代初頭、バブル崩壊後の金融危機
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- 冬季期間の現金輸送の困難、人手不足
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- 強盗事件などの犯罪対策
1990年代初頭、バブル崩壊後の金融危機
スウェーデンは1980年代後半にバブル経済となり、その後1990年代初頭にバブルが崩壊し、一気に金融危機に陥りました。これは日本のバブル崩壊と同時期ですね。
その危機的状況から脱却すべく中心として動いたのが金融機関です。政府も金融機関を後押しし、国を挙げて生産性向上を目指した事がのちのキャッシュレス大国へと繋がっていると言われています。
冬季期間の現金輸送の困難、人手不足
北欧の国スウェーデンの冬はとても寒い時期が長く続きます。11月~3月の平均気温は-1℃。特に中部や北部では連日-20℃まで冷え込むこともしばしば。
さらに積雪量も多いため常に街は白銀の世界です。そのため現金を輸送するためのトラックを出す事が困難であったり、人手不足な状況にあります。このような地理的状況も現金の扱いが縮小し、電子決済が普及していった背景にあると考えられます。
強盗事件などの犯罪対策
スウェーデンではキャッシュレスが進む以前では、現金を取り扱う銀行などの金融機関や交通機関などでの強盗事件が多発していました。もし、電子決済ならばこのようなことは減るだろうと考えられ犯罪対策としてキャッシュレスを推進するようになりました。